2017年05月28日

リバース 7話 ネタバレ感想


金曜ドラマ「リバース」は、今期では一番楽しみにしてるドラマです。
とはいえあまり心臓に良くないスリリングなやつなので、見るのが毎回怖い・・湊かなえ原作だし(汗)


広沢由樹は人気者だった。
見た目も悪くなく、明るく、誰にも分け隔てなくフレンドリーに接する彼は同性からは好かれ、異性にはたいそうモテた。
でも無理して周りと合わせるくらいなら一人でいるほうを好んだ。

そんな自由な広沢と一緒にいると楽だった・・・と過去を回想する深瀬。
決して頭は悪くないのに、どんくさくてやることなすこと間が悪い深瀬は、いつも陽だまりのなかにいるような広沢と比べれば日陰の存在。
深瀬は広沢のことを、初めてできた唯一の親友だと思っていたけれど、高校時代の広沢には、同じように地味で冴えない古川という友達がいた・・。


7話にして、広沢の負の部分が見えてきました。

高校時代、「広沢の親友気取りの地味なヤツ」とバカにされていた古川は、誰にでも好かれる広沢とは住む世界が違うことを悟り、傷ついて離れていってしまう。

そして同じく高校時代に二週間だけ広沢と付き合った川本という看護師は、「今思い出しても腹が立つ」と当時を振り返って言う。

広沢先輩は私のことなんか好きじゃなかった。
告白されて断れなくて仕方なく付き合ってただけ。
誰にでも優しい人って結局人のこと傷つけるんですよ。
皆、自分の見たいとこしか見ないから。
本当は知らない顔だっていっぱいあるのに。



その川本に扮するのは夏菜ですが・・

え、まさか出番これで終わり?
かつての朝ドラヒロインなのに、チョイ役にもほどがあるんじゃ。
うーん、なんか朝ドラで獲得した好感度が多いか少ないかって、その後の役者人生の流れを決めちゃうとこあるよなあ・・・

とか気の毒に思いつつも、夏菜はセリフまわしが上手いです。
どの局のどのドラマとは言わないけど、これでもかってくらい棒演技見せられておなかいっぱいなので、こういう上手さが地味に嬉しかったりする・・。

あと戸田恵梨香もいいなあ。
あの藤原竜也がどんくさい男を演じる芸達者ぶりだけに称賛が集まりがちだけど、戸田恵梨香の微妙な表情のつくりかたとか、ふとこぼれる笑顔とか、声の抑揚とか、可愛らしくも凄みもある七変化になんだか見惚れてしまう。

彼女の登場時から

「戸田恵梨香をただの恋人役に使うわけがない」

とは視聴者みんなが思ってたはずで、それが証明された7話のラストになりました。

1話か2話あたりだったか、美穂子と出会うまで自分の人生には何もなかった・・と語る深瀬に、

「何も?」

と問い返した美穂子の声の低さに、ゾクッとする違和感を覚えた。さりげない演出だったけど。

やっぱこの子なんか怪しい・・・と思わせながらも、ストーカー事件を投入して美穂子を襲わせ、視聴者の疑いを払拭してからのどんでん返しってずるいでしょ!
完全にやられたわー。

広沢の彼女は美穂子だった・・・!

彼女が偶然を装って深瀬に近づいたように、谷原や村井にもそれぞれ接触を図っていたことが明らかになり、深瀬ショックで目を閉じる、の巻。

うん、とても気の毒だね!!

しかしながら美穂子がこれまでに見せてきた表情の数々からして、彼女は深瀬に惹かれているはず。
きっとこの二人にはハッピーエンドが用意されてるに違いない(と信じたい)!


ひとまず深瀬の恋路は横に置いといて。

つまり四人に「人殺し」の告発文を送りつけたり、谷原をホームから突き落としたのは、美穂子だった。
・・という流れのようですが、本当に犯人は美穂子なのだろうか。
それともこれもまたミスリードの一つなのだろうか・・・?

そもそも犯人はなぜ事件から10年も経ってから行動を起こしたのだろう?
鉄は熱いうちに打てってわけじゃないけど、10年間の沈黙はいくらなんでも長すぎやしないだろうか。
その10年という歳月には何か特別な意味があったのか。


あとどうでもいいけど、村井の監禁は果たして必要なエピソードだったのかという疑問が。
犯人はメンヘラ妻だったってオチいらんから。
まあそんなことだろうと思ってたけど、あまりにしらけるミスリードでした。
この妻愛されなくて可哀想なんだろうけど、まったくもって同情できない存在。
お金はあるんだから、業者呼んでゴミ屋敷なんとかしようぜ。


そして小池徹平のヒロイン感がすごい。
みんなに愛される罪つくりなアイドルを難なく演じております。
ここ数年地味なポジションに甘んじていた小池さん、久々の当たり役かもしれません。
今後は可愛い中年路線で、新境地を開拓していってほしいと願わずにはいられません。


posted by KIKI歌野 at 19:18| Comment(2) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

「たそがれたかこ9巻」「あなたのことはそれほど1-4巻」「独身OLのすべて1-5巻」

こないだ友達の車で幕張のコストコに初めて行ったんですが、買い物する前に、友イチオシの回転寿司行こうぜってなってイオン幕張店に寄ったら、なにこの広大な床面積! 本当にイオン? 北海道の原野じゃなくて? 幕張すごいな! しかも都心どまんなかかってくらいおシャレだし。

私の最近のイベントといったら、そのおシャレなイオン幕張店で食べた回転寿司の炙りエビ寿司が痺れるほど美味しかったことくらいなんですけど、その数日後、実家に寄って、ガスコンロに放置しまくっていたらしい鍋の底に残ってたカレーを(もったいない)と食べたら、軽く食中毒になりました。
風邪が治ったばかりの弱り切った私の腸を汚染カレーが直撃、カオスな二日間を経験するハメになったのもまた、レアなイベントと呼べるのかもしれませんネ。
ちなみにカレーなどの煮込み料理に居座りがちなのはウェルシュ菌という菌で、6時間煮沸しても死なないつわものだそうです。
嫌気性の菌なので、余ったカレーは空気に触れやすい平らな器に入れ、必ず冷蔵庫or冷凍庫に入れるべしでございます。

そんな冴えない日々にマンガを大量に読みましたんでレビューを。


たそがれたかこ9巻
たそがれたかこ(9) (BE・LOVEコミックス) -
たそがれたかこ(9) (BE・LOVEコミックス) -

おお、表紙の赤いおたかさん、ビビッドで新鮮だなぁと思いつつも、8巻がイタかったので読むのがちょっとこわかったんですが、9巻は、たかこの娘・一花(いちか)の心の問題に焦点があてられていました。
一巻ではふくよかで健康的な体型だったのに、摂食障害のため痛々しいほどガリガリになってしまった一花。
過呼吸を起こして倒れたり、自傷行為に及んだりする15歳の心に寄り添おうとするたかこは、人の心に100パーセント寄り添うことは不可能だと実感しています。
世界に娘と自分しか存在しないような閉塞感に襲われた瞬間、天啓が下りたように思い立つのです。
エレキギターを弾いてみようと。
大好きなナスティインコの曲を弾いて大声で歌おうと。
一巻では秋葉原のタワレコに行くだけで心が躍っていたおたかさん、弾く側にまわるのですか〜!

いやー、風穴が一気に通ったような爽快な巻でした!
娘を心配するのも、寄り添ってあげるのも、言葉をかけてあげるのも大事。でも、

私で証明しよう。「好き」が世界を変えることを。
私の「楽しい」が一花にうつるくらいに


自転車をびゅんびゅん飛ばしながら、わははと笑うおたかさんが力強い! 応援しますぜ、お姐さん!

おたかさんは自虐のカタマリのような人で、その生きづらさは娘の一花にも受け継がれている。
一花の年頃だったら近親憎悪の感情にまかせて、母親に手酷くあたってもいいはずだし、たかこだってもっとヒステリックになっちゃっても仕方ないのに、ふたりとも優しい。
たかこは上からな姿勢が全然なくて、ごめんね、とか、ありがとう、をちゃんと娘に伝える。そこがすごく好き。
街やモノの描写も心理描写も丁寧で素敵なマンガなのに、あと一巻で終わっちゃうそうです。寂しいなあ。



あなたのことはそれほど 1-4巻

あなたのことはそれほど(1) (FEEL COMICS) -
あなたのことはそれほど(1) (FEEL COMICS) -
5巻まで出てます

TBSで放映中のドラマをなんとなく毎週見ているのですが、不倫の罪悪感ゼロの「みつ」のキャラがどうにも不思議ちゃんなので、解説を求めて原作を読みました。
原作者のいくえみ綾先生は大御所なのに絵柄が古臭くないのが偉い。
きっと努力の方なんだろうなー。
ただ好き嫌いで言えば、本当すみません、昔からいくえみ先生を好きだとか衝撃だとか思ったことは一度もなくて、それはこのマンガを読んだ後でも変わらなかったです。
ただ、この世界を好きだと思う人がいることは理解できました。
少女コミックっぽいファンタジーが最小限に抑えられて、夫婦間や婚外恋愛の心理劇がなかなか興味深い。
皆少しずつ病んでいる大人で、あまり感情移入はできないけど(強いていうなら、ヒロインの親友がいわゆる「まとも」路線)、傍観者としてじわじわ怖さをたのしめる。
うーん、でも、まあ、きれいごとじゃない恋愛劇の生々しさで言えば、ジョージ朝倉とか昔の安野モヨコとかのほうがリアルで真に迫ってて面白いかな、私には。
とは言ってもいくえみ先生の力量はさすがというべきか、バカでどうしようもないヒロインでも、なんだか憎めない感じには仕上がってます。

ドラマのほうはねー、演じてる波瑠自身が
「理解に及びませんが、仕方ないです。美都とはそういう人なのです。私は美都には共感できないけど、毎日やらなきゃ仕方ない。」
とか、そんな良い子ぶったスタンスでいっぱしの女優のつもりかアンタ、的な発言しちゃってるくらいだから、説得力のある演技は難しかろうってなもんで・・。
しれっとハッピーエンドだったらどうしてくれようか、このドラマ。もんもん。



独身OLのすべて 1-5巻

独身OLのすべて(1) (KCデラックス モーニング) -
独身OLのすべて(1) (KCデラックス モーニング) -

渋谷タワレコでやってる「この世界の片隅で」の原画展に、おととい姉と一緒に行ってきたんですが、ただでさえ苦手な渋谷の街歩いて疲れて、しかも買い物とかして荷物重いっつうのに、「すごく面白いから!」と貸してくれたのがこの本。(しかも5冊)
あーもォ、他に読む本(マンガ)たくさんあるのに、これ以上週末の読書量増やすのもねェ・・とため息をつきつつペラペラめくってみたら、何これ面白い!

メインキャラはこんな。

dokushinol.jpeg

なぜリンゴや青い海洋生物みたいなのがOLなのだろうか?
とかいう疑問をさしはさむ以前に、すでに笑いのツボを押されまくってること請け合い。
小気味いーい!
女の醜さをここまで赤裸々にさらけだすと、読むほうも毒気にメンタル腐食されちゃうと思うんですが、このマンガに関してはそれが快感で、なぜか変な元気までもらえて、ずっと読み続けたくなる。ネガティブ×ネガティブ=ポジティブみたいな。

自分ではたぶん買わないけど(ごめん、これ以上本増やしたくないんだ)、姉が貸してくれたらまた読みます。
作者のまずりん先生、リスペクトです!
こういういかにもモテなさそうなマンガ書いて油断させておいて、じつは結構な美人かつリア充に違いない、と踏んでおります。

なんか全然感想になってないなと自分でも思うけど、読んだら面白いので読んでほしい「独身OLのすべて」はここでも読めます。→ モアイ 読むと元気になるWebコミック

posted by KIKI歌野 at 15:11| Comment(0) | マンガ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

映画「リリーのすべて」「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

動画サイト(あ、ちゃんと合法のやつですよー)でひさびさ洋画鑑賞しましたので簡単感想を。


リリーのすべて (字幕版) -
リリーのすべて (字幕版) -

女の愛憎劇か、レズビアンものか、はたまた母娘の確執ものか・・というような画ですが、そのどれでもない「愛」の映画でした。

「リリーのすべて」(原題: Danish Girl)は、1930年代に世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベをモデルにした物語です。
必ずしも史実に忠実というわけではないのですが、「トランスジェンダー」あるいは「性同一性障害」が異常な精神病だと思われていた時代に、本来の性に戻りたいと強く願い、それを貫いた「女性」と、男から女へと変わっていく夫を支え続けた妻を描いた秀作でした。

監督は「英国王のスピーチ」のトム・フーパー。
主演はエディ・レッドメイン。ファンタスティック・ビーストのあの方ですね。

edy.jpg
身長180cmの美青年です

1930年の性別適合手術は前例のない革命的な手術で、もちろん命がけのものでした。
映画で行われる手術は、男性器の切除と女性器の形成のみですが、実在したリリーは卵巣や子宮の移植手術まで行ったそう。

ええ〜?
卵巣や子宮の移植手術なんて聞いたことないよ!
いったい誰のを・・(怯)

当時は臓器移植による拒絶反応についてはまだ知られていなかったようで、結局リリーも移植したものを摘出するはめになったりとか、相当苦しい目にあったようです。

映画には出てきませんが、最初の精巣除去手術の際、体内に未発達の卵巣が発見されたことから、リリーは、性同一性障害というより、性分化疾患だったのでは?と推察されます。見た目も小柄で体毛も薄くて相当中性的だったようですしね。

性分化疾患の症状・原因は人によって千差万別なので、決してひとくくりにはできないのですが、彼らは例外なく確固たる性のアイデンティティーを持っています。「男でも女でもない中間の性」というあいまいなものでは決してなく、心の性は生まれつき明確なのです。それが外見の表現体に合致していればいいのですが、そうでない場合は苦しむことになります。

もちろん、性分化疾患ではなくとも、外見と内面の性の差異に苦しむ人は、今と同じように昔にも存在したでしょうし、ほとんどの人は秘密を隠し通したまま生涯を終えたことでしょう。
そんな時代において真の自分を取り戻したリリーという驚くべき存在を、エディ・レッドメインが繊細に演じているのに胸を打たれました。

いやーごめん、どう頑張ったって、ごつい男が女の服着てるようにしか見えない。

最初はそう思ってたのに、リリーの内面の女性化が進むにつれ、どんどん女らしく見えてくる。
しまいにゃ、男の服着てたって中身女というのが伝わってくるまでになる。

そして妻のゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルも本当に素晴らしかった・・・。
この役でアカデミー助演女優賞を獲得したのも頷けます。(エディは残念ながらノミネートどまり。ま、その前年に受賞してますからね)。

しかし、少しもやもやが残るんだよなあ。
リリー、もっとゲルダに優しくしてあげて!
って女の立場で思っちゃう。
生まれて初めて女装した日に、他の男とキスしちゃって、しかもそれゲルダに見られたのに、ごめんとかすまんとか全然ないしなあ。
ゲルダも「あなたはいつも自分のことばかりね」って愚痴ってたけど、その通りだよ!
自分の夫がどんどん女になってくなんて、苦しむに決まってるでしょー。そこんとこ慮ってあげてよう。
しかし結局は最後の最後まで夫を支えちゃうゲルダの愛、実にあっぱれでした。見習おう。独身だけど。



イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [DVD] -
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [DVD] -


大人気ドラマ「シャーロック」の、ベネディクト・カンバーバッチ主演です。
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(原題: The imitation game)は、第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>に挑んだ天才数学者アラン・チューリングの話で、これも「リリーのすべて」同様、実在した人物をもとにしています。

英国政府が50年以上隠し続け、その存在を抹殺されていたゆえに、知名度がまったくなかったチューリングが、どんだけ凄い人だったのかが骨身に染みてわかる映画。

アラン・チューリングが同性愛者であったことが、この映画のキーになっています。
キリスト教がバックボーンにある西洋文明の偏狭な部分ですけど、同性同士の性的接触は近年まで「犯罪」であり、教授職にあったチューリングは男娼を買ってたことで足元をすくわれて気の毒なことになっちゃうんですが(そういう部分の生々しい描写などは一切ないので、苦手な人でも問題ない)、彼が成し遂げた偉業が公に認められて本当によかった・・遅すぎはしたけれども。

ナチスにエニグマという難攻不落の暗号があったことも、英国がその解読に秘密裡に成功していたことも、私はまったく知りませんでした。なんかもう呆気にとられるしか。

スターリングラード攻防戦とかの、歴史に残る酸鼻な戦闘に関する暗号も実は事前に解読されていて、連合軍を陰から勝利に導いたのが暗号解読チームだったなんて!

しかもドイツ軍に解読の事実を悟らせないよう、どの攻撃は放置してどの攻撃に応戦するってことまで机上で計算してたのに隠し通していたなんて! つまり味方をあえて見殺しにする苦渋の決断もしてたわけで。

この映画見てると、どの国家も国民に嘘をつきとおすものなんだとわかります。
国の言うことを一から十まで信じちゃいけませんねー、原発のことだってそうですよ。肝に銘じなきゃ。

いやー、スリリングでゾクゾクしました。
心臓に悪いドキドキハラハラのエンターテイメント性もありながら、1人の人間の愛と人生のお話でもありました。これを二時間弱でおさめたのはさすがプロの技。

それにしてもベネディクト・カンバーバッチ、本当にまあなんて演技力でしょう!
シャーロック役でも天才探偵の奇人演技が素晴らしく、この映画でもドのつく傍若無人ぶりを発揮してはいるけど決して超人ではなくて痛々しい。哀しい。そして偉い。

同僚と仲良くなろうとしてリンゴを渡すところ、なんだか可愛かったなあ。
同僚、いい人たちとは思うけど、アランにあんなひどい扱い受けたのにリンゴひとつで許すのはちょろすぎないかい。

posted by KIKI歌野 at 08:16| Comment(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする