2017年06月25日

あなたのことはそれほど 最終回

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俺は、涼太が好きなんです。


小田原さんの衝撃告白に引きずられて最終話を視聴しました。

9週間もこの話に付き合ってきたというのに、ヒロインの美都の行く末についてはとくに気にしてませんでしたが、ま、たぶん、美都のこと好きで見てる視聴者はあんまり多くなかったかと(笑)

「自分に正直に生きてる」とか「損得考えないで突っ走る」とかの性質は、被害者がいない場合に限れば美点と呼べるのかもしれないけど、美都はねー、自分のことしか考えてないんだよねー究極・・。
有島のことだって本当に好きだったのか見てて疑問だった。(最後に涼ちゃんがそれ指摘してくれてスッキリ!)

うん、確かにリアルでは、盲目的な恋愛の渦中って自分の気持ちのことしか考えられないものだよね。
そしてロクなもんじゃない男に、傍目には謎のいれあげかたをするよね。

それに浮気のハードル低い人は低くて、というかハードルすらなくて、浮気の罪悪感なんてもちろん全くないのもドラマの通り。
その結果、たとえ浮気がバレたって配偶者のリアクションによってはなかなか謝れないっていうのも、なんとなくわかる。
でもドラマでそれ見せられちゃうと視聴者は共感できない。
それを承知の上でこういうヒロイン像をあえて採用したのはやはり新しい感覚だと思うし、それでドラマが最後まで破たんしなかったというのは凄いかもしれない。

とはいえ、私がこのドラマを好きだと思えなかったのは、メイン男2人の演技がイマイチだったのと(頑張ってはいたよね!それはわかるけど)、なんの落ち度もない涼太を悪役っぽいホラーにしたチープさに白けたからです。

そのままサイコサスペンスっぽい展開にするならそれでもいいんだげど、このドラマはそうじゃないから、中途半端な演出やめてって心から思ってたんですが、今になって気づきました。
あれは美都ビジョンだったのだと。

前話で、生理が遅れてるというだけの薄弱な根拠で、「妊娠したかもしれない」と涼太に告げてし
まった美都。

あの男にはもう頼れないんでしょ・・・頼れるわけないよね。大丈夫だよ、僕がみっちゃんを守るから。

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開いた瞳孔の笑顔。棒読み。絶妙に影を落とすライティング・・。

他の男の子供を育てようとする涼太は確かに常軌を逸してるけど、何もそこまでホラーにする必要はない。でも美都の目にはそこまで不気味に見えるってことですよね。
事実、ラストで「涼ちゃんの愛は優しい暴力だった」と言わなくていいこと本人に言っちゃってるし。


そして、美都と涼太は離婚し、有島と麗華は元さやにおさまるという予想通りの結果になりました。

涼ちゃんはいつか下僕道を邁進しない愛を会得できるのか。
美都は相手の幸せを考えられる女になれるのか。

うん、ひょっとしたら、かなり無理かもしれないね。

でも自分はこんなもんだと思って放置しちゃうと、加齢にしたがってどんどんひどくなっちゃうのでやはり努力はしていかないとです。
う、自分に返ってくる矢だなあ。ぐさぐさ。


そして小田原さん!
涼太への想いをとうとうカムアウトしたもんで(ま、視聴者は薄々気づいてましたが)SNSは祭りになってたらしいですね〜。

山崎さんの切ない演技もとても素晴らしかったのですが、私はまず、ゲイがオネエとかの類型的な人物にされることなく、そしてゲイがテーマでもないドラマにおいて、一般的な社会人として登場してくれたことに拍手を送りたい! 

正直このドラマで心から称賛できるのはそれについてだけかも(笑)

私はBLも結構好きでたまに読んだりする人間ですが、そういう遊興的な意味での称賛ではないのです。

ゲイやレズビアンが、学校や会社で物見高い視線で見られることなく、ましてやクロゼットに入る必要もなく、まるっとするっと受け入れられる社会になってほしいと心から思うので。(もちろん性的志向の分野だけではなく、どんな「マイノリティ」と呼ばれる人々に対しても。)

・・・とここまで書いてふと思ったんですが、私を含めて女の人は本能的な感覚でこういう発言をしたりするけど、ヘテロセクシュアルな性的志向を持つ男性が、LGBTについてリベラルな意見表明をするとき、「僕自身はゲイではありませんが」となぜかひとこと付け加えることが多いと思う。

もちろん自分の立ち位置を表明するのはとても大切なことなので否定はしません。

ただ、もしも目に見えない社会的圧力ゆえに、万が一にも自分の性的志向を誤解されたくないという密かな恐怖がどうしても働いてしまうのであれば、底にあるのは紛れもない差別の感覚です。見下しているという意味ではなく。

そんな圧力を感じずに済む世の中がいいな。
罪ではないことに、本来はなんの言い訳もいらないから。


・・ドラマとはほぼ関係のないことを言い散らかしてしまいました。

「あなたのことはそれほど」は突っ込みどころの多いドラマでしたが、それも含めていろんなことを考えさせてくれました。

ありがとうございました!

posted by KIKI歌野 at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

四月期ドラマも最終回ラッシュ 「人は見た目が100パーセント」 「リバース」

気が付けば四月ドラマもそろそろ終わりです。光陰矢の如しですね。ていうかもう一年の半分が終わっちまうなんてどんな魔法をかけられた!

てなわけで(どんなわけだ)ネタバレ感想をたらたら書かせていただきます。


人は見た目が100パーセント 最終話
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冴えないリケジョ三人が、仕事の事情によりやむなくビューティー研究にいそしむことになって、ステキ女子になるためにあれこれ奮闘するというお話でございました。
原作マンガ既読です。

地味で暗い城ノ内さん = 桐谷美玲
妻であり母であるが女ではない前田さん = 水川あさみ
ぽっちゃり女子の佐藤さん = ブルゾンちえみ

・・・冴えない女子の話ですよね?

桐谷美玲のキャスティングが謎すぎて、最初は違和感しかなかったです。
なんであんな美人が下向いて歩いて「わ、私なんか・・」とか激しく自己卑下してるのかぜんぜん理解できなくてww

あと演者のせいではないのですが、演出のコメディセンスが大寒波で初夏でも凍える。
さらに話のテンポもイラッとするほど悪くて、視聴率が撃沈なのも当然っちゃ当然の報いかなって思えるドラマではありました。
特に第一話のノリは酷かった。どんだけ凍えるか逆にぜひ見ていただきたい。
あと最終回の恋愛シーン、美容師のあの不必要すぎる長い間はなんなの。見逃し配信で見てたんだけど、あんまり長いこと黙ってるもんでネットの通信障害かと思ったよ。

しかしそのぶん、なんというか、なんだろう・・・批判とか批評とか、まあもう今さらいいじゃないのそんな細かいことはってなって、おおらかな温かい気持ちでドラマを観ることを、改めて思い出させてくれたような気がするんですよね〜。

9話が終わるころにはすっかり見慣れて、三人が仲よくあーだこーだ奮闘するコミカルな姿を見るだけで癒されるまでにww

そして水川あさみの吹っ切れたギャグも最高でした。

トイレの個室にクラッチバッグを置く場所がなくて焦るところ
「福山雅治になれーーーっ!」と旦那を締め上げるところ
写真に写るときはなるべく目立たず風景に同化しようとするところ
顔のたるみをなんとかしようとあらゆる器具を顔面に装着するところ

声をあげて笑ってしまうレベルなので、それだけでもぜひご覧いただきたいですね。
ストーリーはあるようでいて何もないので(ごめん)アレですけども、適度に前向きになれるような気もするし、三人がいじらしいから、ま、いいか。

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可愛い丸尾くんもっと出番プリーズって思ってるうちに終わった感が。



リバース 最終話

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ドラマって、往々にして最終回よりもその前の回のほうが盛り上がったりするものですよね。
最終回はまとめに入ったり伏線回収したり、駆け足になったり盛り込みすぎたり、出来栄えとしてはわりと普通に終わっちゃうケースが多かったりする。

というような最終回でした。

リバースが最高に盛り上がったのは、美穂子が広沢の彼女だったことが発覚した8話のラスト、広沢の死因が深瀬がコーヒーに入れた蕎麦のハチミツだと示唆された9話のラストでした。
いや〜ゾッとしたもんな〜〜
この二話で悲鳴をあげさせてくれたスタッフとキャストには本当に感謝です。

一話からずっとほのぼのと語られてきたコーヒーとハチミツが恐ろしい凶器になっちゃうなんて!
と動揺しつつも、いやしかし広沢くん、そんな重度のアレルギーならちゃんと周りの人に言っとかないと駄目でしょう。
親友の深瀬にさえ言わなかったのが広沢の気遣いだったとしても、駄目なものは駄目。むしろ不自然。

不自然といえば、広沢が死んだ十年前の冬の日、大雪なのに彼をたった一人で行かせたというのもおかしすぎると思ってたんですよね〜。そこに引っかかってた人多いと思う。
広沢だけ内定をもらってない、万が一飲酒運転がバレたところで失う将来がないという人でなしな理由で村井を迎えに行かせた・・というところまでは100歩譲ってまあいいとしても、肝心の車は雪でスタックして別荘から離れたとこに乗り捨てられてたわけだし、仮にも友人なら少なくともその地点まで一緒に行ってあげるのが普通では? 
特に深瀬。玄関先でコーヒーを渡しただけっていうのが・・・。

つまり、広沢をたった一人で窃盗団に出くわさせるために、その不自然な流れが必要だったわけなのね。
窃盗団は車を盗んで事故を起こし、広沢は1人で崖下に滑落した。
その事実を誰も知らないっていう設定をつくらなきゃミステリーにならないものね。

なんだかなあ。
窃盗団を登場させる意味が希薄だなあ。
結局広沢はコーヒー飲んでアナフィラキシーショック起こしてたわけだよね? 
実際には飲んだとこ誰も見てないのに、飲んだ瞬間が映像になっちゃってるのが不思議な気もするが。

うん、どう考えても、深瀬の罪悪感を薄めるためだけに用意されていた窃盗団ですよね。

あと警察の捜査が杜撰すぎないかい。あんな山奥で窃盗事件と車の事故が同日に起こったら結びつけて考えないほうがおかしいと思うんだけど。

まあそんなこんなでモヤついた思いが残った最終話でして、でも10週間楽しませてもらったから大目に見ようか的な感じになりましたけども、全体的には芸達者が揃った見応えのあるドラマだったと思います。


最終話で一番良かったのは片平なぎさでした。
自分たちが犯した罪の告白をするために広沢の両親のもとを訪ねた四人を泣きながら罵る演技が素晴らしかった・・・。

懺悔して、それでこの人たちは楽になるんやろ?
あたしら楽にならんやないの。
どこまでいっても地獄やない。
なんで・・なんで、由樹は死なんとあかんかった。
あんたらの誰かがかわりに死ねばよかったんよ!


片平なぎさ、こんな「お母さん」の演技もするようになったんだなあ・・・失礼ながら演技派のイメージ全然なかったんだけど圧倒されました。

そして深瀬くん、案外立ち直りが早くて(?)よかった。
何年も罪悪感に苛まされちゃうかと思ったけど、美穂子がいてくれてよかったね。
2人ともお幸せにね!

湊かなえの三部作はこれで終了ってことなのかな。
「夜行観覧車」杉咲花と「Nのために」窪田正孝がカメオ出演という、ファンには嬉しいかもしれないサービスもありました。

しかし「Nのために」で素晴らしく印象的な演技をしていた小出恵介があんなことになっちまって残念です。
俳優自身と役柄は別物だとわかっててもショックですが、禊を終えたらいつかまた演技で見返してほしいですね。


posted by KIKI歌野 at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月10日

カルテットを恋う


カルテットが第54回ギャラクシー賞の優秀賞を受賞しましたぁ〜!


っておそ!(授賞式は6月1日)

グーグル先生は私が興味あるトピックのニュースを選抜して教えてくれるから(ほぼドラマ一色)、情報としては知ってたんだけど、まあ3月度の月間賞も大賞だったし、カルテットなら何獲っても当然よねって受け流してたんですよ。

でもよく考えたらとてもすごいことだった。
そのすごさが私に沁みるまで時間かかかったのです。

そう、一年に一度の賞で優秀賞受賞とは快挙も快挙、大快挙でございます! 
パチパチパチパチ! アイスでひとりでかんぱいだぜイエーイ!

そして個人賞は満島ひかり!
「トットてれび」、「シリーズ・江戸川乱歩短編集II 妖しい愛の物語」、「カルテット」の演技が認められての受賞でした。すばらしーーい。

あっそして「逃げるは恥だが役に立つ」も視聴者が選ぶマイベストTV賞グランプリを獲得しました。
やっぱり人気はダントツだったですよね〜本当に面白かったもん。
「津崎平匡」「森山みくり」 
この二つの名は死ぬまで忘れないでしょう。
そうそう、星野源さんはラジオ部門のほうで受賞してました。


で、カルテットの優秀賞がどれくらい快挙かっていうと。

yahooのみんなの感想でカルテットの感想を舐めるように読んでて(キモい)知ったんですが、放送批評懇談会が主催するギャラクシー賞は、ドラマに限らず一年間に放映された報道スペシャルとかドキュメンタリーとか全局の全番組が審査対象となるので、局が総力を挙げて制作した開局●周年記念ドラマとかじゃない連ドラは、「選奨」に選ばれることは珍しくなくても、大賞や優秀賞となるとそんなにはないそうなのです。

調べてみたら1996年〜2016年の20年間で大賞・優秀賞を受賞した連ドラは5作のみ。

2003年 すいか(優秀賞)
2006年 ハゲタカ(優秀賞)
2009年 JIN-‐仁‐(優秀賞)
2011年 カーネーション(大賞)
2013年 あまちゃん(大賞)


おお、なるほどの納得感・・・。
ハゲタカだけは未見だけど、どれもこれもドラマ史にその名を永遠に刻まれる名作ばかりですよね。
にしても少ないな。
20年間に制作された連ドラは、どう少なく見積もっても1000本以上あったろうに。

ちなみに私が大・大好きな「リーガル・ハイ」も「最高の離婚」も「デート〜恋とはどんなものかしら〜」も選奨でした。いやもちろん選奨に選ばれるのだってすごいことですけどね!


そしてカルテットの受賞歴は以下ズラリ(wikipediaから抜粋)

ギャラクシー賞 3月度月間賞(2017年)
マイベストTV賞2位(2017年)
第54回ギャラクシー賞 テレビ部門 優秀賞(2017年)
第7回 コンフィデンスアワード・ドラマ賞(2017年)
 作品賞
 主演女優賞(松たか子)
 助演男優賞(高橋一生)
 脚本賞(坂元裕二)
 新人賞(吉岡里帆)[6]
第92回ザテレビジョンドラマアカデミー賞(2017年)
 作品賞
 主演女優賞(松たか子)
 助演女優賞(吉岡里帆)
 ドラマソング賞(Doughnuts Hole「おとなの掟」)
 脚本賞(坂元裕二)
 監督賞(土井裕泰、金子文紀、坪井敏雄)[48]



賞がすべてじゃないことはわかってるけど、自分のことみたいに嬉しい。

やはりカルテットは奇跡的なドラマだったと思う。

脚本はいいけど役者が。
役者はいいのに脚本が、演出が。

そんな瑕瑾がただのひとつもない独特の世界観に毎週魂をもっていかれてました。

ここではないどこか。
でも遠くではない、すぐそこにあるひとつの宇宙に浮かぶ、優しくて淡いグレーの世界。

たぶんあんな奇跡に出会えることはもう二度とない。少なくとも私にとっては。
カルテットが終わったのはたった二か月半前のことなのに、なんだかもう一年も二年も経ったような気がする・・。

あんなに愛せるドラマに会えて幸せです。でも寂しい。でも幸せ・・・。

私の心もグレーだなあ。

posted by KIKI歌野 at 22:42| Comment(2) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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