2017年05月21日

「たそがれたかこ9巻」「あなたのことはそれほど1-4巻」「独身OLのすべて1-5巻」

こないだ友達の車で幕張のコストコに初めて行ったんですが、買い物する前に、友イチオシの回転寿司行こうぜってなってイオン幕張店に寄ったら、なにこの広大な床面積! 本当にイオン? 北海道の原野じゃなくて? 幕張すごいな! しかも都心どまんなかかってくらいおシャレだし。

私の最近のイベントといったら、そのおシャレなイオン幕張店で食べた回転寿司の炙りエビ寿司が痺れるほど美味しかったことくらいなんですけど、その数日後、実家に寄って、ガスコンロに放置しまくっていたらしい鍋の底に残ってたカレーを(もったいない)と食べたら、軽く食中毒になりました。
風邪が治ったばかりの弱り切った私の腸を汚染カレーが直撃、カオスな二日間を経験するハメになったのもまた、レアなイベントと呼べるのかもしれませんネ。
ちなみにカレーなどの煮込み料理に居座りがちなのはウェルシュ菌という菌で、6時間煮沸しても死なないつわものだそうです。
嫌気性の菌なので、余ったカレーは空気に触れやすい平らな器に入れ、必ず冷蔵庫or冷凍庫に入れるべしでございます。

そんな冴えない日々にマンガを大量に読みましたんでレビューを。


たそがれたかこ9巻
たそがれたかこ(9) (BE・LOVEコミックス) -
たそがれたかこ(9) (BE・LOVEコミックス) -

おお、表紙の赤いおたかさん、ビビッドで新鮮だなぁと思いつつも、8巻がイタかったので読むのがちょっとこわかったんですが、9巻は、たかこの娘・一花(いちか)の心の問題に焦点があてられていました。
一巻ではふくよかで健康的な体型だったのに、摂食障害のため痛々しいほどガリガリになってしまった一花。
過呼吸を起こして倒れたり、自傷行為に及んだりする15歳の心に寄り添おうとするたかこは、人の心に100パーセント寄り添うことは不可能だと実感しています。
世界に娘と自分しか存在しないような閉塞感に襲われた瞬間、天啓が下りたように思い立つのです。
エレキギターを弾いてみようと。
大好きなナスティインコの曲を弾いて大声で歌おうと。
一巻では秋葉原のタワレコに行くだけで心が躍っていたおたかさん、弾く側にまわるのですか〜!

いやー、風穴が一気に通ったような爽快な巻でした!
娘を心配するのも、寄り添ってあげるのも、言葉をかけてあげるのも大事。でも、

私で証明しよう。「好き」が世界を変えることを。
私の「楽しい」が一花にうつるくらいに


自転車をびゅんびゅん飛ばしながら、わははと笑うおたかさんが力強い! 応援しますぜ、お姐さん!

おたかさんは自虐のカタマリのような人で、その生きづらさは娘の一花にも受け継がれている。
一花の年頃だったら近親憎悪の感情にまかせて、母親に手酷くあたってもいいはずだし、たかこだってもっとヒステリックになっちゃっても仕方ないのに、ふたりとも優しい。
たかこは上からな姿勢が全然なくて、ごめんね、とか、ありがとう、をちゃんと娘に伝える。そこがすごく好き。
街やモノの描写も心理描写も丁寧で素敵なマンガなのに、あと一巻で終わっちゃうそうです。寂しいなあ。



あなたのことはそれほど 1-4巻

あなたのことはそれほど(1) (FEEL COMICS) -
あなたのことはそれほど(1) (FEEL COMICS) -
5巻まで出てます

TBSで放映中のドラマをなんとなく毎週見ているのですが、不倫の罪悪感ゼロの「みつ」のキャラがどうにも不思議ちゃんなので、解説を求めて原作を読みました。
原作者のいくえみ綾先生は大御所なのに絵柄が古臭くないのが偉い。
きっと努力の方なんだろうなー。
ただ好き嫌いで言えば、本当すみません、昔からいくえみ先生を好きだとか衝撃だとか思ったことは一度もなくて、それはこのマンガを読んだ後でも変わらなかったです。
ただ、この世界を好きだと思う人がいることは理解できました。
少女コミックっぽいファンタジーが最小限に抑えられて、夫婦間や婚外恋愛の心理劇がなかなか興味深い。
皆少しずつ病んでいる大人で、あまり感情移入はできないけど(強いていうなら、ヒロインの親友がいわゆる「まとも」路線)、傍観者としてじわじわ怖さをたのしめる。
うーん、でも、まあ、きれいごとじゃない恋愛劇の生々しさで言えば、ジョージ朝倉とか昔の安野モヨコとかのほうがリアルで真に迫ってて面白いかな、私には。
とは言ってもいくえみ先生の力量はさすがというべきか、バカでどうしようもないヒロインでも、なんだか憎めない感じには仕上がってます。

ドラマのほうはねー、演じてる波瑠自身が
「理解に及びませんが、仕方ないです。美都とはそういう人なのです。私は美都には共感できないけど、毎日やらなきゃ仕方ない。」
とか、そんな良い子ぶったスタンスでいっぱしの女優のつもりかアンタ、的な発言しちゃってるくらいだから、説得力のある演技は難しかろうってなもんで・・。
しれっとハッピーエンドだったらどうしてくれようか、このドラマ。もんもん。



独身OLのすべて 1-5巻

独身OLのすべて(1) (KCデラックス モーニング) -
独身OLのすべて(1) (KCデラックス モーニング) -

渋谷タワレコでやってる「この世界の片隅で」の原画展に、おととい姉と一緒に行ってきたんですが、ただでさえ苦手な渋谷の街歩いて疲れて、しかも買い物とかして荷物重いっつうのに、「すごく面白いから!」と貸してくれたのがこの本。(しかも5冊)
あーもォ、他に読む本(マンガ)たくさんあるのに、これ以上週末の読書量増やすのもねェ・・とため息をつきつつペラペラめくってみたら、何これ面白い!

メインキャラはこんな。

dokushinol.jpeg

なぜリンゴや青い海洋生物みたいなのがOLなのだろうか?
とかいう疑問をさしはさむ以前に、すでに笑いのツボを押されまくってること請け合い。
小気味いーい!
女の醜さをここまで赤裸々にさらけだすと、読むほうも毒気にメンタル腐食されちゃうと思うんですが、このマンガに関してはそれが快感で、なぜか変な元気までもらえて、ずっと読み続けたくなる。ネガティブ×ネガティブ=ポジティブみたいな。

自分ではたぶん買わないけど(ごめん、これ以上本増やしたくないんだ)、姉が貸してくれたらまた読みます。
作者のまずりん先生、リスペクトです!
こういういかにもモテなさそうなマンガ書いて油断させておいて、じつは結構な美人かつリア充に違いない、と踏んでおります。

なんか全然感想になってないなと自分でも思うけど、読んだら面白いので読んでほしい「独身OLのすべて」はここでも読めます。→ モアイ 読むと元気になるWebコミック

posted by KIKI歌野 at 15:11| Comment(0) | マンガ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月29日

清野とおる「東京都北区赤羽」が面白すぎた

たまには小説、というより「文章」を読もうと思いました。

最近ますます文字を追うのが苦手になっているのは、すっかり「ドラマ脳」または「マンガ脳」になっちゃって、長文読解能力が退化しまくったに違いないと思われるので、3年前にブクオフで買ったのに100行弱しか読めてない分厚い文庫「永遠の0」を書棚から取り、通勤電車で絶対読み切ろうと決意してバッグに入れたのが4ヶ月前のことでした。本にはさんだしおりの位置は今も微動だにしていませんが読む意欲はあるんです。毎日他のことを優先してしまうだけなのです。


TSUTAYAにて、清野とおる先生(小説家は呼び捨てにできるのに漫画家には敬称をつけてしまう。どういう心理だろ?)のマンガ「東京都北区赤羽」を見かけたのは、おとといのことでした。

私は「半径3メートルのカオス」というカリスマなブログマンガを描いてらっしゃるカマタミワさんの大ファンでして、著書も拝読しています。

ひとりぐらしも神レベル (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
ひとりぐらしも神レベル (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -
これは最新刊ですね。面白かったです。


そのカマタさんが清野さんのマンガの大ファンらしく、卓越したギャグセンスのカマタさんがファンなくらいだから相当ぶっとんでるんだろうなァ清野さんはと思いながらも、買うまでには至らなかったのです。ほら絵柄が、なんか普段手に取るような感じの範囲外だったので。
しかしながらTSUTAYAで見かけたのも何かの縁、速攻5冊レンタルしました。

増補改訂版 東京都北区赤羽 : 1 (アクションコミックス) -
増補改訂版 東京都北区赤羽 : 1 (アクションコミックス) -


もっと早く読めばよかった〜〜!!


うまい棒(コンポタ味)を齧る手が止まるくらいの衝撃でした。


面白い以上に面白いッ!!


ちなみにTSUTAYAで借りたのは、「東京都北区赤羽」1巻と、その続編である「ウヒョッ! 東京都北区赤羽」1〜4巻です。歯抜けな借り方をしたのは「東京都北区赤羽」の2巻以降がレンタル中だったせいです。

長年赤羽に住む清野さんと赤羽という土地に棲みついた人々との交流を描いたエッセイコミック、なのですが、全部嘘偽りなしの実話っていうのが驚き!!
出てくる人出てくる人全員常識はずれというか、変人か変態なんだけど、赤羽ってそういうとこ!?

いや・・この人たちは一見魑魅魍魎だけれども、実はむしろいたって普通なのか・・・? 
私が思っている普通は、実は普通の大海のなかの一滴だったのか・・・? 
ページをめくるごとに己の狭い世界を思い知らされ、ちっぽけな常識を覆されていくのがわかります。癖になる快感です。

清野さんはすごい。

誰もが見ないフリして通りすぎる赤羽のホームレスの「ペイティさん」というおばちゃん、しかも奇声を発したり、股間になんかぶらさげてキテレツな歌を歌ったりするおばちゃんと親しく話したり、あまつさえそのおばちゃんの歌のファンになって、自作カセットテープ(100円)の新作をワクワク買い求めたりする清野さん、それをマンガにしちゃう清野さん、ん、もう私、大ファンです!!

めちゃくちゃ笑い転げたのが、「馬鹿祭り」のくだりでした。
「ウヒョ!」が頭につくほう、つまり続編のほうの第一巻の真中らへんにあるお話です。

赤羽では毎年4月に「馬鹿祭り」なる、名前だけはインパクトあるけど実際はどこにでもあるようなゆるいお祭りが開催されるそうで、その記念すべき第1回の開催は昭和31年でした。

その様子を撮影した希少なビデオを著者は偶然鑑賞するのですが、そのお祭りは、現代のものさしでは計り知れない空恐ろしいものでした。
この「仮装祭り」の本気度怖すぎるだろ!!
清野さんの切り取りかたがいちいち可笑しすぎて、呼吸困難で死ぬかと思いました。マンガで笑い死にできたら幸せだろうなー。

赤羽の不気味な人々や場所がいっぱい出てきて、ところどころ本気で気持ちわるいんですが、不可解を不可解として、不条理を不条理として受け止める清野さんの懐の深さが逸物すぎるから、もちろん個人的な好き嫌いはあるにしても、このマンガは読んだ人全員が傑作と呼ぶに違いありません。

清野さんは言います。

「赤羽はさすが懐が大きい!」


赤羽、来週行ってみたい。

無言で焼きトン立ち食いしたい。

ペイティさんに会いたい。

キャバクラの看板に囲まれたお地藏さんに手をあわせたい。


あ、そうだ。その前に「永遠の0」ですね。
今年中に絶対読了します。
何年かかってんだと思われるでしょうが、傑作は決して古びませんし、今はRENTAで清野とおるさんの違う本借りて読んでる最中だけども、まああれだ、それはそれとして。

posted by KIKI歌野 at 22:19| Comment(0) | マンガ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

「たそがれたかこ8巻」「昭和元禄落語心中10巻」

ちょこちょこマンガ読んでます。

たそがれたかこ 8巻
たそがれたかこ(8) (BE・LOVEコミックス) -
たそがれたかこ(8) (BE・LOVEコミックス) -

ううっ痛い、痛すぎるよたかこさん! いえ、入江先生!

中学生男子に恋する45歳の主人公、たかこ。
客観的に見れば、そりゃもうドン引きのシチュエーションです。
しかもたかこはトシ相応(いや、トシ以上か?)の地味な老け顔に描かれて、まったく美化されていないので、その恋情は余計に生々しく痛々しく、直視していられません。

とはいえたかこは同じアパートに住む中学生・オーミへの感情をきちんと自制しているし(つーか自虐の嵐ですが)、彼とどうにかなりたいなんてゆめゆめ望んじゃいないのですが、それでもオーミが同年代の女子と笑いあっているのを目撃すればどうしても心は痛むし、彼と手をつなぐ夢まで見てしまうのです。

7巻までは微笑ましくて可愛かったんですけどねー。
たかことオーミの交流は乾いた土に水がしみこんで潤っていくようなカタルシスだったのに、今はぺろりと皮がむけて剥き出しになった肉を見せられてるみたい。

いや、わかりますよ?
自分の内観というか心的風景は若いころと何ら変わらない。たとえ幾つになったって、年若い異性に惹かれることもあるってことは。
おっさんなんてトシいけばいくほど若い女の子好きだし。

にしたって相手が中学生じゃこっちは応援しようがないので、いずれ丸くおさまることを祈るばかりです。
これ以上たかこに傷ついてほしくない。
辛い恋を乗り越えて新しい人と出会ってハッピーエンドとかいう王道マンガじゃないのはわかっているけれど、なるべく明るい落としどころにおろしてあげてほしい一心で、次の巻もお付き合いさせていただくことでしょう。
入江先生、他の人が描かないところをきちんとえぐる、本当にスゴイ漫画家さんです。



昭和元禄落語心中 10巻
昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx) -
昭和元禄落語心中(10)<完> (KCx) -

(少しネタバレします)

あー終わっちゃった〜〜
終わってしまったわ〜〜
いやー、大団円の最終回でした!
幸福な終わり方でよかった!

とはいえ、あの最後のどんでん返し、というか謎かけってアリなの??
小夏の第一子の父親があの人だった(かもしれない)なんて!
いや、それならそれでいいんだけど、もちょっと事前に伏線はってほしかったよ!
せめてほのかに匂わせておいてほしかったけど、それって私の鼻がきかなかっただけ?
いきなりぶっちゃけられると、生理的な気持ち悪さが先にたってしまいます。

そしてそして最終巻では偉大なる八雲師匠がとうとう鬼籍にはいられます。
雲田先生はきっとお描きになりたかったのだろうけど、三途の川の手前で、盟友の助六とその妻みよ吉と一緒に過ごす時間って・・ちょいとどうなんだろう。
ここまで詳細に描く必要あった?
八雲師匠が高座で落語できてよかったし、それはそれで感慨深くて良いんですけども、この巻に関しては、全体的に喋りすぎのような印象を受けました。粋じゃないとこまで言葉が出張ってる。

しかし、長年つかえてきた松田さんが、師匠が渡る三途の川の船頭をしてくれたのにはジーンときました。

落語と共に生き抜いた八雲師匠の生涯を、見事に描き切ってくれました。
そして「落語」という芸の世界が決して死なないことも。

うん、たっぷり10巻、楽しませていただきました。
この漫画を読むたびに、寄席に行きたくなってしまいます。

posted by KIKI歌野 at 22:25| Comment(0) | マンガ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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