2017年07月02日

小林麻央さん

6月22日、小林麻央さんが亡くなりました。

そのニュースが流れたのは6月23日。

衝撃的な訃報は胸の中にしまい込んでしまいがちなのか、その日以降、同僚や友達との会話にその話題が出ることは特になかったのですが、先週の週末に姉と会ったとき「まおちゃん、死んじゃったね。ブログずっと読んでたんだよね・・」と、泣きそうな顔で、なんの前触れもなく言ったので少し驚きました。
私も麻央さんのブログをずっと読んでいて、心の隅に哀しみを抱えた状態だったので。

彼女のブログを読み始める以前は、彼女本人にも配偶者の海老蔵さんにも興味はほぼありませんでしてた。
それどころか、海老蔵さんのことは数年前の六本木の事件のことが頭にあって、あまり好感を持てないでいたのです。
でもここ数か月は、ブログで麻央さんが発するひとことひとことに、痩せてしまっていても美しい笑顔の写真に励まされ、窺い知れる病状の進行に胸を痛めながらも、彼女が発する生命の光のようなものに魅了されていました。

できれば奇跡が起こって欲しかった。

でも・・

正確な情報は知りませんが、麻央さんは2016年のわりと早い段階で余命を危ぶまれていたと聞きました。
なのに、それから一年もの間闘いを全うし、人がどんなに強くなれるのかを私たちにつぶさに見せてくれたこと自体が、もう奇跡と呼べるのかもしれません。

麻央さんが亡くなってから、2016年9月の一番最初の記事から全部読み返しました。
読みながら、病気を公表し、発信し続ける決断をした麻央さんに改めて尊敬の念を禁じ得ませんでした。

私にも乳がんになってしまった友人がいます。
彼女は可能な限り病気のことを周囲に隠していました。
「ママ友には絶対に知られたくない」と、抗がん剤の副作用と闘いながら、精巧なカツラをかぶって二年以上隠し通した根性は本当にあっぱれだった。
たとえ闘病中でも炊事洗濯掃除は当然あるし、まだ小学一年生だった子供の世話はもちろんのこと学校の行事に参加し、その上ママ友との付き合いも怪しまれない程度にこなすという、考えただけでもミッションインポッシブルな仕事のすべてを、寛解のその時まで完遂し切ったのでした。

そういう類の強さもある一方で、麻央さんのような外界に開いて発信していくタイプの強さもある。
闘病中であることが報道されてしまったからといって、すべての人が麻央さんみたいな選択をするわけじゃない。

麻央さんのブログでどれだけたくさんの人が勇気づけられたことか。
今現在なんらかの病を抱えている人でも、そうでない人も。

事故や自死でない限り、ほぼすべての人が将来何らかの病気にかかり、望むと望まざるとにかかわらず命を終えていきます。

そこには忌避すべき何物もない。

諾々とそれを受け入れる受け入れないの問題じゃなく、たとえ死の前日であっても人はどんな希望でも持てるし、持っていい、むしろ持つべきだと思うのです。(持てなくたってそれはそれで全然いいのですが!)

重い病気にかかった人たちは決して特別な憐れむべき存在ではなく、病気以前と何も変わらない一人の人間というだけなのです。

がんの陰に隠れないことを信条とし、輝いている一人の人間として希望や意志や痛みや苦しみや愛や感謝を、読者に発信し続けてくれた麻央さんのことは、私は深い尊敬の念と共に死ぬまで忘れないと思います。


6月20日の「オレンジジュース」の記事で終わっていたブログが更新され、すべての記事の英訳が少しずつ載せられています。
海老蔵さん自身が英訳しているのでしょうか。
それとも英語の堪能な他の方でしょうか。
英語は英語の力強さがあり、とても素敵です。

そして海老蔵さんの心も、一読者としてしっかり受け止めました。

ありがとうございます。

posted by KIKI歌野 at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月25日

あなたのことはそれほど 最終回

odawara.jpg
俺は、涼太が好きなんです。


小田原さんの衝撃告白に引きずられて最終話を視聴しました。

9週間もこの話に付き合ってきたというのに、ヒロインの美都の行く末についてはとくに気にしてませんでしたが、ま、たぶん、美都のこと好きで見てる視聴者はあんまり多くなかったかと(笑)

「自分に正直に生きてる」とか「損得考えないで突っ走る」とかの性質は、被害者がいない場合に限れば美点と呼べるのかもしれないけど、美都はねー、自分のことしか考えてないんだよねー究極・・。
有島のことだって本当に好きだったのか見てて疑問だった。(最後に涼ちゃんがそれ指摘してくれてスッキリ!)

うん、確かにリアルでは、盲目的な恋愛の渦中って自分の気持ちのことしか考えられないものだよね。
そしてロクなもんじゃない男に、傍目には謎のいれあげかたをするよね。

それに浮気のハードル低い人は低くて、というかハードルすらなくて、浮気の罪悪感なんてもちろん全くないのもドラマの通り。
その結果、たとえ浮気がバレたって配偶者のリアクションによってはなかなか謝れないっていうのも、なんとなくわかる。
でもドラマでそれ見せられちゃうと視聴者は共感できない。
それを承知の上でこういうヒロイン像をあえて採用したのはやはり新しい感覚だと思うし、それでドラマが最後まで破たんしなかったというのは凄いかもしれない。

とはいえ、私がこのドラマを好きだと思えなかったのは、メイン男2人の演技がイマイチだったのと(頑張ってはいたよね!それはわかるけど)、なんの落ち度もない涼太を悪役っぽいホラーにしたチープさに白けたからです。

そのままサイコサスペンスっぽい展開にするならそれでもいいんだげど、このドラマはそうじゃないから、中途半端な演出やめてって心から思ってたんですが、今になって気づきました。
あれは美都ビジョンだったのだと。

前話で、生理が遅れてるというだけの薄弱な根拠で、「妊娠したかもしれない」と涼太に告げてし
まった美都。

あの男にはもう頼れないんでしょ・・・頼れるわけないよね。大丈夫だよ、僕がみっちゃんを守るから。

ryota.jpg

開いた瞳孔の笑顔。棒読み。絶妙に影を落とすライティング・・。

他の男の子供を育てようとする涼太は確かに常軌を逸してるけど、何もそこまでホラーにする必要はない。でも美都の目にはそこまで不気味に見えるってことですよね。
事実、ラストで「涼ちゃんの愛は優しい暴力だった」と言わなくていいこと本人に言っちゃってるし。


そして、美都と涼太は離婚し、有島と麗華は元さやにおさまるという予想通りの結果になりました。

涼ちゃんはいつか下僕道を邁進しない愛を会得できるのか。
美都は相手の幸せを考えられる女になれるのか。

うん、ひょっとしたら、かなり無理かもしれないね。

でも自分はこんなもんだと思って放置しちゃうと、加齢にしたがってどんどんひどくなっちゃうのでやはり努力はしていかないとです。
う、自分に返ってくる矢だなあ。ぐさぐさ。


そして小田原さん!
涼太への想いをとうとうカムアウトしたもんで(ま、視聴者は薄々気づいてましたが)SNSは祭りになってたらしいですね〜。

山崎さんの切ない演技もとても素晴らしかったのですが、私はまず、ゲイがオネエとかの類型的な人物にされることなく、そしてゲイがテーマでもないドラマにおいて、一般的な社会人として登場してくれたことに拍手を送りたい! 

正直このドラマで心から称賛できるのはそれについてだけかも(笑)

私はBLも結構好きでたまに読んだりする人間ですが、そういう遊興的な意味での称賛ではないのです。

ゲイやレズビアンが、学校や会社で物見高い視線で見られることなく、ましてやクロゼットに入る必要もなく、まるっとするっと受け入れられる社会になってほしいと心から思うので。(もちろん性的志向の分野だけではなく、どんな「マイノリティ」と呼ばれる人々に対しても。)

・・・とここまで書いてふと思ったんですが、私を含めて女の人は本能的な感覚でこういう発言をしたりするけど、ヘテロセクシュアルな性的志向を持つ男性が、LGBTについてリベラルな意見表明をするとき、「僕自身はゲイではありませんが」となぜかひとこと付け加えることが多いと思う。

もちろん自分の立ち位置を表明するのはとても大切なことなので否定はしません。

ただ、もしも目に見えない社会的圧力ゆえに、万が一にも自分の性的志向を誤解されたくないという密かな恐怖がどうしても働いてしまうのであれば、底にあるのは紛れもない差別の感覚です。見下しているという意味ではなく。

そんな圧力を感じずに済む世の中がいいな。
罪ではないことに、本来はなんの言い訳もいらないから。


・・ドラマとはほぼ関係のないことを言い散らかしてしまいました。

「あなたのことはそれほど」は突っ込みどころの多いドラマでしたが、それも含めていろんなことを考えさせてくれました。

ありがとうございました!

posted by KIKI歌野 at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月17日

四月期ドラマも最終回ラッシュ 「人は見た目が100パーセント」 「リバース」

気が付けば四月ドラマもそろそろ終わりです。光陰矢の如しですね。ていうかもう一年の半分が終わっちまうなんてどんな魔法をかけられた!

てなわけで(どんなわけだ)ネタバレ感想をたらたら書かせていただきます。


人は見た目が100パーセント 最終話
人は見た目が100.jpg

冴えないリケジョ三人が、仕事の事情によりやむなくビューティー研究にいそしむことになって、ステキ女子になるためにあれこれ奮闘するというお話でございました。
原作マンガ既読です。

地味で暗い城ノ内さん = 桐谷美玲
妻であり母であるが女ではない前田さん = 水川あさみ
ぽっちゃり女子の佐藤さん = ブルゾンちえみ

・・・冴えない女子の話ですよね?

桐谷美玲のキャスティングが謎すぎて、最初は違和感しかなかったです。
なんであんな美人が下向いて歩いて「わ、私なんか・・」とか激しく自己卑下してるのかぜんぜん理解できなくてww

あと演者のせいではないのですが、演出のコメディセンスが大寒波で初夏でも凍える。
さらに話のテンポもイラッとするほど悪くて、視聴率が撃沈なのも当然っちゃ当然の報いかなって思えるドラマではありました。
特に第一話のノリは酷かった。どんだけ凍えるか逆にぜひ見ていただきたい。
あと最終回の恋愛シーン、美容師のあの不必要すぎる長い間はなんなの。見逃し配信で見てたんだけど、あんまり長いこと黙ってるもんでネットの通信障害かと思ったよ。

しかしそのぶん、なんというか、なんだろう・・・批判とか批評とか、まあもう今さらいいじゃないのそんな細かいことはってなって、おおらかな温かい気持ちでドラマを観ることを、改めて思い出させてくれたような気がするんですよね〜。

9話が終わるころにはすっかり見慣れて、三人が仲よくあーだこーだ奮闘するコミカルな姿を見るだけで癒されるまでにww

そして水川あさみの吹っ切れたギャグも最高でした。

トイレの個室にクラッチバッグを置く場所がなくて焦るところ
「福山雅治になれーーーっ!」と旦那を締め上げるところ
写真に写るときはなるべく目立たず風景に同化しようとするところ
顔のたるみをなんとかしようとあらゆる器具を顔面に装着するところ

声をあげて笑ってしまうレベルなので、それだけでもぜひご覧いただきたいですね。
ストーリーはあるようでいて何もないので(ごめん)アレですけども、適度に前向きになれるような気もするし、三人がいじらしいから、ま、いいか。

machidakun.jpg
可愛い丸尾くんもっと出番プリーズって思ってるうちに終わった感が。



リバース 最終話

リバース.jpg

ドラマって、往々にして最終回よりもその前の回のほうが盛り上がったりするものですよね。
最終回はまとめに入ったり伏線回収したり、駆け足になったり盛り込みすぎたり、出来栄えとしてはわりと普通に終わっちゃうケースが多かったりする。

というような最終回でした。

リバースが最高に盛り上がったのは、美穂子が広沢の彼女だったことが発覚した8話のラスト、広沢の死因が深瀬がコーヒーに入れた蕎麦のハチミツだと示唆された9話のラストでした。
いや〜ゾッとしたもんな〜〜
この二話で悲鳴をあげさせてくれたスタッフとキャストには本当に感謝です。

一話からずっとほのぼのと語られてきたコーヒーとハチミツが恐ろしい凶器になっちゃうなんて!
と動揺しつつも、いやしかし広沢くん、そんな重度のアレルギーならちゃんと周りの人に言っとかないと駄目でしょう。
親友の深瀬にさえ言わなかったのが広沢の気遣いだったとしても、駄目なものは駄目。むしろ不自然。

不自然といえば、広沢が死んだ十年前の冬の日、大雪なのに彼をたった一人で行かせたというのもおかしすぎると思ってたんですよね〜。そこに引っかかってた人多いと思う。
広沢だけ内定をもらってない、万が一飲酒運転がバレたところで失う将来がないという人でなしな理由で村井を迎えに行かせた・・というところまでは100歩譲ってまあいいとしても、肝心の車は雪でスタックして別荘から離れたとこに乗り捨てられてたわけだし、仮にも友人なら少なくともその地点まで一緒に行ってあげるのが普通では? 
特に深瀬。玄関先でコーヒーを渡しただけっていうのが・・・。

つまり、広沢をたった一人で窃盗団に出くわさせるために、その不自然な流れが必要だったわけなのね。
窃盗団は車を盗んで事故を起こし、広沢は1人で崖下に滑落した。
その事実を誰も知らないっていう設定をつくらなきゃミステリーにならないものね。

なんだかなあ。
窃盗団を登場させる意味が希薄だなあ。
結局広沢はコーヒー飲んでアナフィラキシーショック起こしてたわけだよね? 
実際には飲んだとこ誰も見てないのに、飲んだ瞬間が映像になっちゃってるのが不思議な気もするが。

うん、どう考えても、深瀬の罪悪感を薄めるためだけに用意されていた窃盗団ですよね。

あと警察の捜査が杜撰すぎないかい。あんな山奥で窃盗事件と車の事故が同日に起こったら結びつけて考えないほうがおかしいと思うんだけど。

まあそんなこんなでモヤついた思いが残った最終話でして、でも10週間楽しませてもらったから大目に見ようか的な感じになりましたけども、全体的には芸達者が揃った見応えのあるドラマだったと思います。


最終話で一番良かったのは片平なぎさでした。
自分たちが犯した罪の告白をするために広沢の両親のもとを訪ねた四人を泣きながら罵る演技が素晴らしかった・・・。

懺悔して、それでこの人たちは楽になるんやろ?
あたしら楽にならんやないの。
どこまでいっても地獄やない。
なんで・・なんで、由樹は死なんとあかんかった。
あんたらの誰かがかわりに死ねばよかったんよ!


片平なぎさ、こんな「お母さん」の演技もするようになったんだなあ・・・失礼ながら演技派のイメージ全然なかったんだけど圧倒されました。

そして深瀬くん、案外立ち直りが早くて(?)よかった。
何年も罪悪感に苛まされちゃうかと思ったけど、美穂子がいてくれてよかったね。
2人ともお幸せにね!

湊かなえの三部作はこれで終了ってことなのかな。
「夜行観覧車」杉咲花と「Nのために」窪田正孝がカメオ出演という、ファンには嬉しいかもしれないサービスもありました。

しかし「Nのために」で素晴らしく印象的な演技をしていた小出恵介があんなことになっちまって残念です。
俳優自身と役柄は別物だとわかっててもショックですが、禊を終えたらいつかまた演技で見返してほしいですね。


posted by KIKI歌野 at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラマ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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